近所で毎月開催されているというきのこの観察会に参加しました。
なんと、今回が429回というから驚きです。単純に計算すると35年も続いているのですね!
昔ここに参加していた小学生が今は菌類の研究者になって活躍しているということを聞き、こういう会が子どもたちの好奇心や探求心を伸ばすきっかけになるのだと思い、感心しました。
この会で指導をしている方々は無償でやっており、会費もいらなければ参加の事前申し込みもいらない自由な会なので、とても敷居が低く参加しやすかったです。
いろいろ教えてくださった先生は「菌類は地球でとても大切な役割をしているのに、菌類のことを小中学校で詳しく教えてもらわない。」「きのこが元気なら地球も元気」「きのこが出るとその木を弱らせる、と間違った表現をされている時があってもそれを信じてしまう人がいる」「私たちは命をもらってばかりだけれど、きのこたちは様々な命を作り出す大きな役割をしている」などと、きのこに対する敬意が深くて、お話に引き込まれてしまいました。
例えば、この茶色いカワウソタケというきのこは弱ったサクラの幹に出てくるそうです。サクラが元気がないことをこのきのこが先に教えてくれるのに、だんだん弱っていくサクラを見て「このきのこがサクラを弱らせている」と悪者にされてしまうこともあるとか…
ちなみに上に赤の丸で囲ってあるのが「ムラサキホコリ」というかわいい名前の変形菌。変形菌は菌とつくけれど菌類(キノコやカビなど)とは違うそうです。
このナラタケモドキは、リンゴの木などが弱ると出てくるそうです。
家に帰って調べたら、「リンゴの木に出てくるとリンゴの木を枯らすナラタケ病の原因になる厄介なきのこ」と書かれていました。弱ってきたから出る→さらに弱る→悪者きのこ…となってしまうのですね。
小さくて見えにくいですが、赤い丸の中にきのこが生えています。この木、クスノキにきのこが生えることがすごいことなのだそう。クスノキは防虫剤となる樟脳の元であることもあり、きのこもクスノキには出ないのがきのこ界の常識だったそうです。それが、ここ最近では珍しいけれど見つかるようになってきたとのこと。これはどういうことを意味しているのでしょうか…
みっちり2時間あっても、全然前に進まないほど次々きのこがありました。
きのこはなかなか種の判別ができないそうで、最終的には顕微鏡を見てわかるかどうかという奥の深いものです。
見た目で判断する時は、ひだ(傘の裏)やツボ(根本の部分)などもポイントとなるのですが、先生はきのこに敬意を表しているので確認するためだけに採ったりはしません。鏡を使っていました。そんなところもステキだと思いました。
微笑ましかったのは、きのこに詳しい小学生が数人参加していたこと。図鑑やマイルーペも持参で、熱心にメモを取ったり写真を撮ったりしていて、とても感心しました。この子たちも将来菌類の研究をするのかなぁ…
とにかくあっという間の2時間でした。先生のお話に引き込まれ、きのこの世界に引き込まれそうになりました。奥が深すぎるので、沼にはまらない程度に勉強したいです(^_^;)
おまけ:会の中で、そして終わってからの散策で他に見られたきのこたち。