春だからタンポポみたいなイメージはありますが、セイヨウタンポポはけっこう冬でも花を咲かせていることがあります。
まずは復習ですが、日本の在来種のタンポポは20~30種あるようですが、どれも花の下にある総苞片という部分が花のほうに向いています。セイヨウタンポポは一部が下を向いています。


セイヨウタンポポは、年中花を咲かせるだけでも在来種に勝ってしまう要素になるのですが、他にも戦略はまだまだあるようです。
その一部をご紹介します。
春になるといろいろな草が生えてきて周りの草の背丈が高くなりますが、それまでは周りの背丈は低いので、その状態で花を咲かせるときには無駄なエネルギーを使ってまで茎を伸ばさないようです。

セイヨウタンポポの花が咲いていますが、周りにはあまり草は生えていません。その場合、花は特に背伸びはしません。

ほとんど地面スレスレに咲いています。次のつぼみも見えますね。
しかし、他の草や日本のタンポポが伸びてくると負けじと茎を伸ばして高いところに花を咲かせます。ハチなどの虫たちに早く気づいてもらって子孫を残すためでしょう。

こんなに茎が長い!
同じタンポポとは思えません。
そして、茎が短い花を咲かせたとしても、できるだけ遠くに種を飛ばしたいので綿毛ができるときはグーンと茎を伸ばします。

ちなみに、セイヨウタンポポだけではありませんが、タンポポの花がしぼんで綿毛になる過程を知っていますか?
花がしぼむと茎を一旦倒します。

そして綿毛になるときに茎を再び起こし、グイーンと茎を伸ばすのです。
おもしろいですね!
また、タンポポの葉はロゼットと呼ばれる放射状に広げた形で芽を出します。

この形はほかの植物よりも葉を横に広げて光を取り入れやすくします。
そして、その下に生えてこようとする植物を影にしてしまいます。
これも生き残り戦略の一つです。
植物たちの生き残るための戦略は知るたびに本当に驚きます。
その場から移動できないがために、あの手この手で子孫を残そうと頑張る植物たちには感心しきりです。
~おまけ~
タンポポの花にセイヨウミツバチが来ていました。
脚に大きな花粉団子をつけて…
