今回のお話は投稿するのにとても悩み、そしてとても勇気が…
なぜなら、世間でいろいろ情報が飛び交っていて叩かれている話題だからです。
耳にしたことのある方も多いと思いますが、ウミガメの放流についてです。
日中の放流は殺しているようなものだ、そもそも放流してもあまり意味はない…など。それを受けてやめているところが増えているようです。ネットで検索してもそれに関しての記事が多く出ており、かなりキツイ意見も多々あります。
なのにこの状況でも昼間の放流を実施していることに対して、この目で耳で確かめたいと思い行って来ました。(本当は、ウミガメについて勉強したいきっかけがあったのが先なのですが)

結論から言いますと、
「私の考えとしては、昼間の放流が悪いというわけではと思いました。」
なぜなら、長年ウミガメの行動を見て多くの経験をしてきた方の話を聞いて、私がネットで調べた話は全て正しいとは言えないと思ったからです。今、結論を出すにはまだ早いような気がしました。
実は私も似たようなモヤモヤを感じたことが何度かありました。
私が現場で見た事実はただの飼育員だった私が口や文にしたくらいではあまり意味もなく、研究者が言ったり論文に出たことが正しいこととして世間に広がることがよくありました(論文の内容が間違っていると言っているのではありません)。また、自分の経験から自信をもって言えることも、「雰囲気でわかる」「今までの勘です」なんて言い方をしても受け入れてもらえなかったり、数字で出さないとわかってもらえないと言われたりもして悔しい思いをしたこともありました。
抽象的な言い方ですみません…
わかりにくいですよね。
ウミガメを守るために、子ガメの放流だけでなく、保護の仕方、砂浜の保全、浜の近くにヒトのための施設を建築することによる自然への影響などなど、総合的なことを踏まえて実施していることの説明を聞いて、今世間で言われていることについて自分なりに考えることができました。
本来なら自分の経験でというのが一番強く言えるのですが、私の経験ではないのでウミガメの放流についてはここで結論を出すことはできませんが、声を大にして言いたいのは
「ネットやメディアの内容を鵜呑みにしないで!!」ということ。
常にそう意識するようにしていますが、改めて私自身も気を付けていきたいと思いました。
そもそもウミガメは孵化しても生き残る確率がとても低いと言われています。
その前に、孵化する環境、産卵の環境などが整っていないとさらに生存の確率は低くなりますし、ウミガメのこと自体まだわかっていないことだらけということです。昼間の放流に対しての論議も大事ですが、まだまだ考えることやることは多そうです…

あまりにも大きな海に向かっていく小さな姿にいろいろなことを考えさせられました。

放流以外の場所で足跡を見つけました。
自然孵化し、海に向かっていったのでしょうか…
浜にはヒトが捨てた人工物がいっぱいありました。