秋になると、ちょっと草むらに入っただけで(時には入らなくても…)知らないうちにひっつきむしが付いていることがあります。
ひっつきむしは、何かにひっついて種を運ぶ戦略をもつ植物の種、いわゆる「種子散布」のうちの付着散布の仲間です。
何かに引っ付くためにもっている武器によって、「ひっかけるタイプ」「ささるタイプ」「ねばねばタイプ」「ケバケバタイプ」などがあります。
種を遠くまで運んでもらうための戦略、本当にうまくできていますね。
今、田舎だろうが都会だろうが多くの場所で見られるひっつきむしはこれではないでしょうか。
アレチヌスビトハギ。△の引っ付き虫がいっぱいついてしまった方も多いのでは…
これは外来種です。
ハギ(萩)がつく名の通り、花を見るとハギだなぁと思います。
動物園時代、花が咲くとよくわかるので、園内を歩いていて花が咲くと種ができる前によく抜いていました。
次によく見るのはこれではないでしょうか…
これはセンダングサの仲間です。
センダングサはいくつか種類がありますがあまりよくわかりません。
花が咲く時期に見るとわかりやすいものもあるようです。
花びらがあるものとないものがあります。
花びらがあるものの多くはシロバナセンダングサ(コノシロセンダングサ)と呼ばれ、コセンダングサの変種と言われています。
花びらが何にもないものがコセンダングサなのですが、この左の画像のようにまばらに白いものがチラホラしているものはシロバナセンダングサとの雑種でアイノコセンダングサと言われているようです。
私は花びらがないコセンダングサは、花びらが落ちたものだと思っていました。
そして最近はあまり見かけませんが、私が子どもの頃はよく見かけて友だちと投げ合いをしたことのある大粒のひっつきむし、オオオナモミです。
中央にかたまりが見えると思います。
トゲトゲがすごいですね。
そして先日、私は初めてのひっつきむしに出会いました。
気が付いたらいっぱいついていたのです。
ひぇ~と思って取ってみると、なかなかしっかりとひっついてる💦
ズボンに付いているものを取っている時は気が付かなかったのですが、靴下に付いていたものを取っていた時に驚いたのです。
取ったはずなのに取れていない⁉
よく見ると…
長いものが取る前、赤い矢印の先にある短いものが取った後です。
なんと、長いものを取ると根本だけは残るようになっているのです。
なんてしぶとい!!
あとで調べてみるとこれはササクサという植物で、名の通り葉がササに非常によく似ているものだそう。
気が付いた時にはその植物が生えている場所から離れていたので見ることはできませんでしたが、今度は注意してみてみようと思いました。
在来種だそうです。
このササクサがもっとも多いひっつきむしである地域もあるようですし、絶滅しかけている地域もあるそうです。
ひっつきむしは他にもいっぱい種類があるので、これからも調べてみようと思いました。
多くは種ができる時期でないと気が付かないので、種がない時期の様子も観察していきたいです。