動物や自然に関する絵を描いています。 動物たちを間近で見てきた経験から、それぞれの動物の特徴や動きをとらえた絵や、それらに関した文章も書きます。   身近な自然を題材にしたブログもぜひご覧ください♪

ウグイスのさえずり3種

「ホーホケキョ」という鳴き声はあまりにも有名で、多くの方が何の鳥の鳴き声かわかると思います。
はい、ウグイスです。

今ウグイスは繁殖期の真っただ中。春から夏のまぁまぁ長い期間がそれに当たります。
私が毎日のように歩く川沿いの道があります。その長い川沿いの中の約3㎞を往復するのですが、その3㎞(川の両側)の中にウグイスの縄張りが3か所あります。

ウグイスはオスが縄張りを設け、その範囲で複数のメスがそのオスとの巣を作り卵を産み、子育てをします(これらは全てメスだけでやります)。オスの役割は自分の縄張りの中で複数のメスが安全に繁殖できるように縄張りを守ることです。

さて、多くの鳥には「地鳴き」と「さえずり」という鳴きかたがあるのですが、ウグイスのホーホケキョという鳴き方は「さえずり」で、オスしか鳴きません。ウグイスの「地鳴き」はチャッチャッチャッチャッという地味な鳴き方で、こちらを知っている人は少ないです。

ところで、ウグイスの姿って見たことありますか?
ウグイスは普段は地面に近い高さの藪の中など、なかなか見えない場所にいるので、声は聞こえても姿が探せないということも珍しくありません。ですがこの時期、さえずっているオスの姿は比較的簡単に見ることができます。

前置きが長くなりました…
ウグイスが好む場所はこんなところです。

細い道の片側に竹藪があります。竹藪の高さは4~5mくらい。ウグイスがいるのはこんなところで、メスはこのうっそうとした藪の中で営巣していると思われます(いくら探しても見つかりません…)。オスは道を挟んだ反対側にあるサクラの木(左)や竹藪より高い竹(右)でさえずっていることが多いです。右の画像の赤い丸の中にこの縄張りのオスのウグイスが止まっているのですが、ここが定位置のようです。そのウグイスを数日観察したのでそのお話を。

タイトルの通りウグイスのさえずりには3種類あって、それぞれに意味があるということです。
まずはこれ

これが一番よく聞くさえずりだと思います。「ここは俺様の縄張りだ!」とか「お前ら近付くんじゃねーぞ!」とか、縄張り内で営巣しているメスに「安心しろー、俺様がちゃんと見張ってるぞー」とかそういった感じでしょうか。
この鳴き声で、高音バージョンがこれ

先ほどのホーホケキョに対して、ヒーホケキョといったところでしょうか。
これはメスへのアピールと言われています。自分の子孫を多く残すためには多くのメスに振り向いてもらわないといけませんからね。個体によって声が違うので、他のオスよりも魅力的な声を出すように頑張っているのでしょうか???

3つ目は、他の2つとは違うさえずりです。

これは警戒、威嚇のさえずりと言われています。メスに対して「怪しい奴が来たぞ、警戒しろ!」とか、他のオスが近くに来た時に「俺は強いぞ!」「これ以上近付いたら痛い目に遭うぞ!」とか言った感じなのでしょうか…?

とにかく薄明の時間から暗くなるまで本当にひっきりなしに鳴いています。鳴く場所は変わらないので、その横に住んでいる人たちはけっこううるさいらしいです(^_^;)

ネットでいろいろ調べていると、1日に1000回、2000回鳴くとか書かれていたので、そんなに鳴く?と思いちょっと調べてみました。
2分30秒の間に12回(この時は普通のさえずり6回、高音のホーホケキョ6回でした)鳴きましたので、単純にこのペースで1時間鳴く計算だと1時間に300回弱。午前4時から午後7時までの15時間で4500回⁉ もちろん15時間ずっと鳴いているわけではないのですが、かなり頻繁にしかも長い間鳴いているのでやっぱり1000や2000は鳴くのでしょう。

あんな小さな体で、あんなに大きな声で数千回。本当にすごい体力ですね!!
ちなみに、この時期はオスはメスよりも体が一回り大きくなります。これだけの体力が必要ですから当然と言えば当然なのでしょうね。巣も作らない、卵も温めない、子育てもしないオスですが、縄張りを守るのも大変なんです。

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