ソテツは大昔からある植物のひとつです。とても成長が遅く、花を咲かせるまでに時間がかかるうえに、10年に1度しか開花しないと、いろいろなところに書いてあります。
私がまだ動物園に勤めていた数年前、とある動物のグラウンドにあるソテツに初めて花が咲いているのを見ました。そこからソテツの花に興味がわき…
ソテツは雌雄異株ですので、雄花と雌花は別の株で見られます。
これが雄花です。

まだ若い状態ですが、ここから伸びて細長くなります。
そして雌花

こんな感じの丸い花です。
雄花と雌花が同時に咲いて、うまく受粉することができたら雌花は実になります。


私の父の故郷は宮崎県で、父は小さい頃にこの実でいろいろなことをして遊んだそうです。そういえば宮崎で、ソテツの実の中に鈴が入っていてサルの顔になっている「なんおさる」という民芸品をいっぱい見ました。気になる方は調べてみてください(^-^)
以前父がソテツの実でキーホルダーを作ってくれました。

さて、話を花に戻します。
10年に一度しか開花しないから見たらラッキーだと書かれているものが多いのですが、その割には最近いろんなところでよく見るなー…と不思議に思っていました。私の考えは、南国に多いソテツなのでソテツはきっと暑い所に向いていて、最近の気温上昇で今まであまり花を咲かせることのなかった地域でも普通に開花するようになった、という説。
そこで、とある植物園に電話をして聞いてみました。その方は「結論としてはわからないけれど、同じ時期に植えられたものが同じような時期に開花し始めたのでは」とおっしゃっていました。なるほど、どれも大きさはあまり変わらないからそうかもしれないと、その説に共感。植物は人気が出るといろいろなところで植えられるから、ソテツが人気の出た時代にあちこちで植えられたのかもと。
しかし、その後見つけたのです!!
とても大きなソテツを育てておられるお寺の住職さんのブログ。10年に一度なんてとんでもない、3~4年に一度いや、へたしたら毎年咲いている!とのこと。
そうなのです、1枚目の画像で気が付いた方もいるかもしれませんが(もう一度貼ります)

この雄花のすぐ右横に以前咲いた花(松ぼっくりのような物)があるのです。これって10年前に咲いたもの????と思っていたので謎が解けました。やっぱり10年は経っていないのだと思います。
ソテツの花の謎が少し解けてきて嬉しく思った、というお話でした(^_^;)